今回は、S.A.L.国際局員の城野亜衣子が、8回目となるトップ画解説を担当させていただきます★
8:カンボジアユニセフの貯水タンク

学生団体S.A.L.のFocus on myselfプロジェクトにて。
カンボジア,バサックスラムの子どもが撮影した「たいせつなもの」
「あなたにとって大切なものの写真を撮ってください。」そう言われた時、あなたは何を写真に写すでしょうか。
私たちは、今年の3月と9月に、カンボジアのバサックスラムで子供にインスタントカメラを配り、テーマに沿った写真を自由に撮ってもらいました。この写真は、一人の子供の「大切なもの」を表す写真です。自分たちの生活に欠かせないものとして、貯水タンクを写してくれました。
「世界水会議(本部フランス)の研究チームが、2004年に世界147か国の水資源や水環境の国際比較を行ったところ、カンボジアはアジアの最下位だったという。」(郵貯「ウイズ・ユラ・ラブ」2005年冬の号より)
インフラが整っていないカンボジアでは、電気・ガス・水道が通っていない地域が多くあります。そのため、数キロ離れた池に水を汲みに行ったり、水瓶に雨水を溜めたり、人力で浅い井戸を掘ったりして生活用水を得ています。この、目で見ても茶色いとはっきりわかる不衛生な飲料水のため、感染症(細菌、ウイルス、寄生虫性)で死亡する人たちが大勢います。
この現状を改善するため、日本やその他多くの国の支援団体が、井戸や貯水タンクの設置や、衛生知識の普及活動に取り組んでいます。この写真の貯水タンクも、ユニセフの支援よって建設されたものです。「大切なもの」として、衛生タンクや水がめの写真を撮った子は他にもいました。しかし、殆ど雨が降らない乾季には、ため池も水がめも空っぽになります。地下水がヒ素に汚染されている地域もあります。
発展途上国と呼ばれるカンボジア。国民全員が水道なしで暮らしているわけではありません。都市部ではお金を出して水道を引く家もあります。都市部のホテルでは、水道から安全な水が出る上、毎日ペットボトルに入ったミネラルウォーターが補給されます。
しかし発展していると言えるのは、全24州中ごく一部の地域に限定されます。郊外や過疎地では、時間が止まっている状況が続いています。このギャップこそが、私がカンボジアを訪れて最も驚いたことでした。このホテルの水が農村部に届けられたら、人々の負担がどれほど減るだろう。どれほどの人の命を救えるのだろう。現地の人には、そんなことを言い始めたらきりがないと言われましたが、初めて訪れたカンボジアで違和感を覚えた私はそう感じずにはいられませんでした。
カンボジアは、本当に多くの問題を抱えています。教育の遅れが国の発展を阻害しているとも言えますが、健康な体なくしては教育も受けられません。電気・ガス・水道・・・。インフラ整備に優先順位をつけることはできませんが、生命に関わる水問題は早期の解決が望まれる、と私は考えます。


